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「旧陸軍被服支廠を保存し、ヒロシマ・ピース・アーカイブズを」

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制作者:ワールド・フレンドシップ・センター つ・た・え・る プロジェクト
ワーキングチームリーダー 立花志瑞雄氏より、掲載の許可を頂きましたのでご紹介いたします。


旧陸軍被服支廠の保存を願う皆様へ

「旧陸軍被服支廠を保存し、ヒロシマ・ピース・アーカイブズを」 呼びかけ文

 広島市南区にある旧陸軍被服支廠について、解体か保存かの議論が続いています。旧陸軍被服支廠は、戦争のための物資が作られた場所、また、原爆にあった人たちが収容され亡くなっていった場所であり、戦争の加害と被害の二つの面を語る生き証人、被爆建造物です。

 ワールド・フレンドシップ・センター(以下WFC)では、2017年度より、被爆体験継承事業、WFC つ・た・え・る プロジェクトをスタートし、被爆の実相、平和に関わる様々なテーマについて学ぶため、WFC Hiroshimaつ・た・え・る 基礎講座を開いてきました。2019年11月、多賀俊介さん (廣島・ヒロシマ・広島を歩いて考える会)に案内していただきフィールドワークを実施し、「旧陸軍被服支廠」保存の大切さを実感しました。

 保存を訴えるにあたっては、その活用策も提案していくことが求められおり、すでに、様々な活用策が提案されていること思いますが、市民のためのアーカイブズという観点から一つの活用策を提案させていただければと思います。

 アーカイブズ(Archives)とは、資料とそれを収める施設、保存所という意味です。アーカイブズ資料は、紙の資料を指すだけではなく、写真や録音、録画のデータも含まれます。WFCは1965年から今日に至るまで、半世紀にわたって、世界平和を願い、活動を続けてきました。様々な活動を行うために、資料が作られ、残されてきました。しかし、WFCの場合もそうでしたが、一般的に、それらの資料を保存し、社会のために、活用することに、目を向けることはあまりないのではないでしょうか。いつの間にか資料が廃棄されることも多いのではないでしょうか。構成メンバーの高齢化に伴い、活動を停止し、貴重な資料が失われていく平和団体も多くなっているのではないかと危惧します。

 幸いWFCでは廃棄されることなく、残されていた資料が段ボール箱に入れられ、倉庫に保管されていました。そこで、WFCでは、2019年から、残された資料を整理し、保存し、WFCのアーカイブズを作ることにしました。資料にどれほどの価値があるか疑問視される方もあるかと思いますが、資料は次の世代のために、活かせる貴重な平和の財産です。

 行き場のない、破棄される運命の平和活動に関わった多くの団体・グループ、個人の資料を保存し、広島を訪れる人たちのために、広島県、広島市、公的文書館(アーカイブズ)、市民、県民が一体となり、それらの資料を有効に活用する「ヒロシマ・ピース・アーカイブズ」を旧陸軍被服支廠にぜひ作ることが出来たら良いのでは、と提案します。広島を訪れる人のほとんどは、平和公園を訪れると思いますが、旧陸軍被服支廠を二番目に多くの人が訪れる場所とし、「加害と被害」、「戦争と平和」を学び、考える場とすることで、本当の意味での平和都市広島と言えるのではないでしょうか。

 制作者:ワールド・フレンドシップ・センター つ・た・え・る プロジェクト
ワーキングチームリーダー 立花志瑞雄

作成日:2021年1月8日


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