「イベント開催の過程と様子、感じること」
2019年12月に浮上した被服支廠の一部解体問題を知ったのは、高校で所属していた新聞部での取材でした。「つむぎ屋」が主催するフィールドワークイベントに参加し、被服支廠の存在、広島が持つ「軍都」の歴史に初めて出会いました。
「この建物のこと、原爆だけじゃない広島の歴史を、もっと同世代に伝えたい!」「自分にできることは何か」と考えた末、取材したイベントで被服支廠を案内してくださった瀬戸麻由さんの協力のもと、「被服支廠ってなんじゃろ?〜学生どうしで考えよう〜」を企画・実施しました。企画段階では、瀬戸さんをはじめ、新聞部の顧問の先生、仲間たちに遅い時間まで相談し、当日の動きや使う備品など、何度も議論したことが印象に残っています。
当日は、新聞やラジオ、直接の呼びかけに応じてくれた15人の参加者と、建物の周辺(当時は立ち入りが禁止されていました)を歩き、規模感を肌で感じてもらうフィールドワーク、ディスカッションルームに場を移し、建物の価値、そして被服支廠の「場」を「自分だったら」どう活用するかというワークショップの2つを行いました。ワークショップ中、参加者どうしの熱のある議論に感動したことを覚えています。今回当サイトで掲載していただいた14の活用案は、未来の広島を担う「若者の視点」を感じれるものではないでしょうか。
被服支廠という、僕たちの町を見守る歴史の証人。今後も、その被服支廠のこと、そして広島の未来を、これまで向き合って来られた先輩方、そして同世代、次世代の若者たちと考えていきたいと思います。

高垣慶太
早稲田大学1年 (当時崇徳高校2年)
2021年4月5日