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キャンペーンについてのお知らせ 署名を締めくくりました(2021年11月28日)

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被服支廠キャンペーンよりお知らせが届きましたのでご紹介します。


いつも被服支廠キャンペーンの活動を応援してくださっている皆様

昨年12月に、被服支廠の一部解体の決定を受けて始めたオンライン署名は、現在約4万9千人の方に賛同して頂いています。 現在、被服支廠の現存する赤レンガ倉庫4棟のうち3棟を保有する広島県は、保存と活用に向けて懇談会を立ち上げ、検討を開始しました。 また、国の保有する1棟も、安全対策を施すための建物の強度調査を実施しました。 これらの動きを受け、全棟保存をしてほしい旨の広島県知事宛の署名を継続する必要がなくなったと判断し、2021年11月28日(日)をもってオンライン署名を終了することと致しました。

「成功宣言」とタイトルがついておりますが、実際には全棟保存が確定したわけではなく、全棟保存を視野に入れた動きが始まったところです。「目標達成」といえる状況ではありませんが、私達が署名を通して伝えたかった「もっと被服支廠について議論したい(してほしい)」という点については、届いたのではないかと考えこのような判断に至りました。 そして、必ずしもこのオンライン署名だけが全頭保存に向けた動きを後押ししたのではなく、多様な人たちの被服支廠に関わる活動の積み重なりの中に、変化が生まれたということも申し添えます。

このオンライン署名を通して、私たちは、今一度、被服支廠の残る広島がどんな街であったらいいのかを考えることとなりました。原爆の投下された被爆都市として建物を残すだけでなく、軍都としての機能を持ちながら近代化し、栄え、人々が戦争のある時代を生きた証として。戦後、多くは残らなかった丈夫な建物として教育現場となり、復興と経済成長の時代に産業を支えた街の証として。何度も活用案が浮上しては消えていく中で、壊されず残った経緯も含めて、街と人の営みの蓄積を感じ、学ぶことのできる街に、被服支廠があってほしいという想いは大きくなっていきました。そして、大切な建物について、みんなで考えてみんなで決めることのできる街であってほしいとも。

広島に、被服支廠が全棟のこる景観を残してみたい。大事で貴重な建物なので、もっと丁寧に議論と調査を重ねてほしい。そういう想いを発信することで、古い建物に関心があり、被爆建物というだけでなく戦争を語る建物としても関心を寄せ、残してほしいと感じるのは被爆者や上の世代の人たちだけじゃないということも、社会に伝えることができました。 そして、この署名が被服支廠がどんな建物なのかを知ってもらうための入り口にもなることができたとも感じています。署名サイトを見て、被服支廠を訪れた人も多くおられると聞きました。そして、被服支廠を初めて知り、訪れたことのない方にも、オンラインバーチャルツアーに参加してもらうことで、より深く広島と被服支廠について知ってもらうことができました。 また、広島の街に、被服支廠は残ったらいいよね、と、共感する世界中の人たちと出会うこと・つながることができました。私たちにとってこれはとても嬉しいことです。キャンペーンのメンバーは、大学や小中学校、市民シンポジウムなどに呼んで頂き、被服支廠についてお話する機会もいただき、オンラインでも、対面でもこれまでお会いすることのなかった人たちと出会うことができました。

オンライン署名は終了しますが、被服支廠キャンペーンとしては、被服支廠のこれからを見守り、一緒に考え、提案し、活用しながら、活動を続けていく予定です。被服支廠から学ぶことはとてもたくさんあります。そして、被服支廠の周りで起きてきたたくさんのストーリーの多くには、まだ私たちは出会えていません。被服支廠の周りで暮らした人たちと、建物との間のストーリーを集めること、そして被服支廠から学んだり考えたりすることを、みなさんと一緒に行っていきたいと思っています。

署名の締めくくりに際して、この1年ほどの動きの中で気づいたこと/感じたこと/学んだことなどを振り返る『オープンミーティング』を開催しました。キャンペーンのこれまでを振り返って話した様子は、facebookページからご覧頂けます。 https://fb.watch/9z9MJJEoBt/ 

今後とも、被服支廠に一緒に関わっていきましょう。

よろしくお願いいたします。

2021年11月28日 被服支廠キャンペーンメンバー 一同

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